「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」は2008年にアメリカで、2009年に日本で公開された劇場版です。テレビ映画として始まったシリーズの第1部完結編にあたります。最上級生になったトロイとガブリエラたちが、卒業後の進路に悩みながら送る青春群像劇&ミュージカル映画です。 ここでは「卒業後のみんな進路は?」「トロイとガブリエラの結末は?」「劇場版になってパワーアップしたことは?新キャラはいる?」など、「ハイスクール・ミュージカル3」をもっと詳しく知りたいかたに役立つ情報をお届けします。
- 本編をあらすじ順に詳しく解説(感想含めて)
- 登場人物たちの卒業後の進路について
- 本編で使われていた曲や挿入歌まとめ
など、「ハイスクール・ミュージカル3」がもっと楽しくなる情報を詳しく紹介していきます。 ついに卒業。トロイとガブリエラの選択はもちろん、サブキャラたちの進路や恋路までしっかり描いてくれてすっきり観られました。さらに劇場版ということもあって、とにかくセットも演出も豪華!今まで以上にさながらミュージカルを観ている気分になれる完成度の高い作品に仕上がっています。
「ハイスクール・ミュージカル3」あらすじ
トロイたちは最上級生になり、卒業まであとわずかという時期を迎えます。
高校生活最後のバスケの試合
大差で負けていた前半でしたが、気合を入れ直して後半へ。試合に合わせて歌とダンスが繰り広げられます。この試合に合わせた演出がなんともすごい!…と感激していたら、応援席から立ち上がったガブリエラが、突然ソロで歌い出したのには笑いました。 トロイの采配もありワイルドキャッツが逆転優勝します。 トロイの家で優勝パーティが開かれます。アルバカーキ大学の監督がトロイとチャドをスカウト。しかしトロイは父の母校に既定路線で行くことに疑問を持ちます。一方、ガブリエラはスタンフォード大学に合格しており、卒業後はそれぞれ遠くへ離れることに。寂しい想いを歌い合う2人。
翌日学校で、最後のスプリング・ミュージカルの開催に向けた参加者の名簿に、ケルシーがクラス全員を提出。しかし皆それぞれ、単位や卒業アルバムの準備など卒業に向けて多忙のために断ります。その雰囲気を変えたのはガブリエラ。彼女が頑張ろうと言うことで一同はまとまり始めます。 さらにコンサート本番には、名門ジュリアード音楽院の奨学生選考員も観に来ることが知らされます。その候補者はシャーペイ、ライアン、ケルシー、そしてトロイ。ダーバス先生が生徒たちに夢を問うも、迷っているトロイは答えられません。
シャーペイはもちろん主役の座を狙います。 ここのシャーペイが自分の夢を歌うシーンは個人的にはすごく良かったです!前作まではないがしろにしてきたライアンも含めて「一緒にトップスターになろう」と歌う姿は、今までのシャーペイの中で1番好感度高かったです。シャーペイも成長しているんだなあ。
プロムへ誘うメンズたち
トロイはガブリエラをプロムへ誘います。2人は屋上で雨に打たれながらワルツの練習。相変わらずラブラブ。しかしトロイはミュージカルを好きなことは未だに認めません。それは父やチャドからのバスケを続けて欲しいという期待を受けていることも原因でした。 一方、チャドはテイラーを、ライアンはケルシーを誘います。 それぞれがプロムに向けて気持ちが高ぶり、衣装選びに浮かれ、歌って踊りだします。ここの舞台演出が、すごくミュージカル感あっていいかんじです!前作までと比べ物にならないくらい凝っていて、本当に舞台を観てるみたいでした。 …と思ってたらそれはスプリング・ミュージカルの練習に繋がります。この演出にも驚かされました。さすが劇場版…!今まで以上にテンポもかなりいい感じに仕上がってます。
ガブリエラがスタンフォード大学から優秀生として早期研修に選出されます。それはミュージカルに参加できないことも意味していました。
進路に迷い、進路に引き裂かれる2人。
トロイはシャーペイからガブリエラが優秀生に選ばれたことを聞かされます。ガブリエラは参加を悩んでおり、スタンフォード進学を1年遅らせようかと考えていました。しかしトロイは「チャンスを先送りにするな」とガブリエラの背中を押します。 ずっと一緒に居られると思っていたと歌う、恒例のガブリエラの切ない想いの歌。3作通して、ガブリエラの切ない歌はかなり心にきました。 ガブリエラはトロイに何も告げず、研修へと旅立ちます。
一方、トロイは父と進路について話すことに。父は息子がアルバカーキ大学ではない大学に惹かれていることを咎めるが、トロイは「自分の進路は自分で決める」と言い返します。その心はどの道を選ぶべきか悩んでいました。 そんなトロイにダーバス先生は「直感を信じろ」と助言します。
トロイ、ガブリエラを迎えに行く
プロム2日前、ガブリエラから電話が。「もう一度さよならすることが嫌だから、もう会いたくない」という話でした。 しかし、今回のトロイは絶望しませんでした。自らガブリエラに会いにきます。「高校最後のダンスは君と踊りたい」そう伝え踊り出すトロイとガブリエラ。 そう!その行動だよ!!と思ったのは私だけじゃないはず。やっとトロイがかっこいい行動を見せてくれました。3作目にして成長したトロイ…! 2人は優しいキスを交わします。トロイはガブリエラがみんなに必要なんだと伝えます。
ミュージカル本番、そして卒業。トロイの選ぶ道は…
ミュージカル本番がスタート。トロイが戻ってくるのが遅れるトラブルはあったものの、ガブリエラとともに舞い戻った2人は、ミュージカルの主役として登場し大成功します。 ミュージカルの最後、全員の卒業後の進路が発表されます。トロイはバスケも演劇も諦めず、ガブリエラとも共にあることも諦めないために、カリフォルニア大学への進学を決意しました。トロイとガブリエラは卒業後も交際が続くことに。 卒業式では恒例の全員で歌って踊っての大団円です。
「ハイスクール・ミュージカル3」登場人物
それぞれの卒業後の進路についてまとめます。本作では3人の新メンバーも登場しています。
トロイ・ボルトン(ザック・エフロン)
バスケとミュージカル、そしてガブリエラとの遠距離に悩んでいたトロイ。結果的にはその3つ全部を捨てずに共存させるために、カリフォルニア大学バークレイ校へ進学を決めました。バスケをしながら舞台を学び、ガブリエラとの愛も育み続けることを誓います。
ガブリエラ・モンテス(ヴァネッサ・ハジェンズ)
トロイとの距離に悩み、一時は大学進学を延期しようとしていたガブリエラ。その優秀さが認められ、スタンフォード大学の法科予備に優秀生として進学することになりました。
シャーペイ・エヴァンス(アシュレイ・ティスデイル)
本シリーズをとにかく盛り上げてくれたシャーペイ。卒業後はアルバカーキ大学の演劇科へ 進学します。また卒業後もイースト高校の演劇部を手伝うことが決まりました。
ライアン・エヴァンス(ルーカス・グラビール)
シャーペイの尻に敷かれ続けて来たライアン。今作ではミュージカルの振り付けを担当したことで審査員の目に止まり、ジュリアード音楽院の振付科に奨学生として進学することになりました。
チャド・ダンフォース(コービン・ブルー)
トロイと親友でずっと一緒にバスケをしてきたチャド。彼はアルバカーキ大学のバスケ奨学生として進学します。専攻は未定です。本当はトロイと共に進学することを願っていましたが、最終的にはトロイの選択を笑顔で受け入れました。
テイラー・マッカーシー(モニーク・コールマン)
アメリカ大統領になるのが夢と語っていたテイラー。エール大学の政治学専攻に優秀生としてしんがくすることになりました。
ケルシー・ニールセン(オレーシャ・ルーリン)
作曲の才能が素晴らしいケルシー。ジュリアード音楽院音楽科に奨学生として進学することになりました。にしてもケルシーは、3作目にしてかなり垢抜けて可愛くなりましたよね。
ジーク・ベイラー(クリス・ウォーレン・Jr)
ワイルドキャッツのメンバーで、1作目のときにお菓子作りが好きなことを公表していたジーク。彼は卒業後はシェフになります。
ジェイソン・クロス(ライン・サンボーン)
ワイルドキャッツの一員であるジェイソン。成績不振でしたが、無事卒業が決定しました。卒業後はラヴァー・スプリングス・カントリークラブでウェイターとして働きます。
マーサ・コックス(ケイシー・ストロー)
元科学部の秀才であるマーサ。卒業後はラヴァー・スプリングス・カントリークラブでキッチンスタッフになることが決まっています。
ジミー・ザラ(マット・プロコプ)
本作からの新キャラ。ワイルドキャッツの2年生で、次期キャプテンの座を狙っています。
ティアラ・ゴールド(ジェマ・マッケンジー・ブラウン)
本作からの新キャラ。ロンドン演劇学校から転校してきた2年生で、シャーペイの秘書的役割を担っていました。実際はシャーペイ並みのわがままな性格で、演劇部の次期主役を狙っています。
ドニー・ディオン(ジャスティン・マーティン)
本作からの新キャラ。ワイルドキャッツの2年生で、いつもジミーと一緒にいます。
チャーリー・ダンフォース(デヴィッド・レイヴァーズ)
チャドの父親。
ジェニー・ダンフォース(ヨランダ・ウッド)
チャドの母親。
リサ・モンテス(ソコロ・エレーラ)
ガブリエラの母親。
「ハイスクール・ミュージカル3」小ネタ
ここでは「ハイスクール・ミュージカル3」をもっと楽しめる小ネタを紹介します。
エンディングロールにも注目!
エンディングロールでは、それぞれのキャストからの直筆の一言とサインを見ることができます。さらに前作同様、NGシーンも流れるので、ファン必見です。
10周年記念放送が2016年にあった!
作品の公開から10周年にあたる2016年に、記念特別番組が放送されました。番組では、ガブリエラ役のヴァネッサ・ハジェンズ、シャーペイ役のアシュレイ・ティスデイル、ライアン役のルーカス・グラビール、チャド役のコービン・ブルー、テイラー役のモニーク・コールマンが出演。肝心のトロイ役のザック・エフロンは、予定が合わすビデオ出演になりました。
劇中曲
本作の劇中曲ももちろん全てオリジナルです。アルバムは発売初週に29万7千枚の売り上げをみせ、全米チャートビルボード200第2位を記録しています。 今作のサウンドトラックは前2作のものより長く曲が収録されています。これまでの2作で歌われていたのは、ほぼ全シーンがサウンドトラックに収録されているままの長さでしたが、今回は収録曲が長いためにショートバージョンになっています。
曲名 | 演者 | 場所 |
Now or Never(ナウ・オア・ネヴァー) | トロイ、ガブリエラ、シャーペイ、ライアン、チャド、テイラー、ケルシー、ジーク、マーサ | イースト高校体育館 |
Right Here, Right Now(今、ここで) | トロイ、ガブリエ | トロイの秘密の隠れ家 |
I Want It All(すべて欲しい!) | シャーペイ、ライアン | カフェテリア |
Can I Have This Dance?(踊りましょう) | トロイ、ガブリエラ | 高校の屋上 |
A Night To Remember(忘れられない夜) | トロイ、ガブリエラ、シャーペイ、ライアン、チャド、テイラー、ケルシー、ジーク、マーサ | 高校の講堂 |
Just Wanna Be With You(ジャスト・ワナ・ビー・ウィズ・ユー) | ライアン、ケルシー、トロイ、ガブリエラ | 高校の音楽室、高校の講堂 |
The Boys Are Back(ザ・ボーイズ・アー・バック) | チャド、トロイ | ライリー自動車解体工場 |
Walk Away(さようなら) | ガブリエラ | ガブリエラの部屋、車内 |
Scream(スクリーム) | トロイ | 高校の体育館、高校の廊下、カフェテリア、高校の講堂 |
Can I Have This Dance?(踊りましょう) | トロイ、ガブリエラ | スタンフォード大学の中庭 |
Senior Year Spring Musical(シニア・イヤー・スプリング・ミュージカル) | トロイ、ガブリエラ、シャーペイ、ライアン、チャド、テイラー、ケルシー、ジーク、マーサ | 高校の講堂 |
We're All in This Together (Graduation Mix) (みんなスター! (グラデュエーション・ミックス)) | トロイ、ガブリエラ、シャーペイ、ライアン、チャド、テイラー、ケルシー、ジーク、マーサ | 高校の講堂 |
High School Musical(ハイスクール・ミュージカル) | トロイ、ガブリエラ、シャーペイ、ライアン、チャド、テイラー、ケルシー、ジーク、マーサ | 高校のフィールド |
今回の特徴としては、ダンスと歌のシーンが様々なシーンと交錯していたことです。バスケをしながら、ブロードウェイ風の演出をしながら、社交ダンスをしながら、など。特にバスケをしながら、試合にあわせて演出された「Now or Never」は個人的にはすごい試みだと思いました。 作中で踊られていたワルツは、ザックとヴァネッサにとって初めての挑戦だったようです。
スピンオフ
今作で卒業まで描かれた「ハイスクール・ミュージカル」ですが、実はスピンオフ作品が複数あるのでご紹介します。
「High School Musical: Get in the Picture」
2008年にABCチャンネルで放送された、サマーミュージカルプログラムに出演するためのオーディションのリアリティーショー番組です。今作のエンドロールでミュージックビデオを見ることができます。番組の優勝者は、Stan Carrizosa/スタン・カリゾサです。
「ハイスクール・ミュージカル 全米コンサート」
2007年に行われた、全米60万人を動員した北米ツアーライブで、DVDとしても発売されています。残念ながら、ザック・エフロンは出演していません。作中に登場する14曲の名曲が披露されました。作中キャストのほか、ドリュー・シーリーが出演しました。
「Get’cha Head In The Game」
2018年に公開された、1作目で歌われた曲名と同じタイトルの作品です。2008年公開の「ハイスクール・ミュージカル3」から10年の時が経ち、コーチ業から退いたトロイの父ボルトンが毎晩ダンスの悪夢に悩まされていることから、セラピーを受ける物語になっています。 セラピストがボルトンに向かって「スクリプトのことを言うまで夢は終わらないぞ。ジャック」と語りかける場面がありますが、「スクリプト」とは「ハイスクール・ミュージカル4」の台本のことです。ボルトンが登場するかわからないので答えられるはずもなく、苦しんでしまうという演出がされています。
1・2作目との相違点は
3作目にして映画版となり、衣装やセットがかなり豪華になりました。そのため制作費は、前2作それぞれの制作費を足した額と同じくらいにまで膨れ上がったとか。 今回の衣装はよりファッション性が重視されており、それぞれのキャラクターの性格を表現するため明確な区別化が計られているのもポイントです。 また作品自体のスケールの大きさも桁違いです。かなり豪華なセットが準備され、リハーサルだけで5週間、撮影に41日といったように、たくさんの時間をかけた作品となりました。演者の総数も過去作に比べて圧倒的に多く、卒業のシーンでは1,000人以上のエキストラが参加したようです。
シャーペイのピンクロッカー
前作まではシャーペイのピンクロッカーは1つだけでしたが、今作では2つに拡大されており、ロッカー内もかなりシャーペイ好みに装飾されていました。 実はこのピンクロッカーは今でも実際にイースト高校に残っており、学校側は毎年1人そのロッカーを使う生徒を決めているそうです。高飛車シャーペイが使っていたこともあり、選ばれたいような選ばれたくないような複雑な気持ちになりそうですよね。
まとめ
今作で「ハイスクール・ミュージカル」第1部が完結となります。トロイとガブリエラは最初から最後までラブラブでしたね。一応別れの危機的なものが描かれましたが、2人の仲はかなり安心して見てられた印象です。
個人的にはこのシリーズはサブキャラクターがかなり魅力的な作品だと思いました。それぞれのキャラが立っていて埋もれず、被りもない。いろいろなキャラのいろいろな性格が重なり合って生まれる青春群像は、まさに高校生の青春!って感じで面白かったです。
きれいにまとまった作品ですが、実は続編の話があります。 ディズニーは2009年に、続編となる4作目を製作することをを発表しています。公開日はまだ確定していませんが、2016年にはキャスティングオーディションが始まったようです。次回はこれまでの主要メンバー5人は出演しないことになっていますが、新たなキャラクター5人が登場します。(エリン、デレク、キャンベル、ナタリー、タマラ)
次回の舞台はイースト高校のサッカー部。今作までワイルドキャッツの強敵であったウエスト高校のナイツも登場するようです。監督はジェフリー・ホーナデイで、脚本は本シリーズにも携わったダン・ベレンドセンとピーター・バルソチーニ。ディレクター&振り付けはケニー・オルテガが担当します。 続編の詳しい内容は「ハイスクール・ミュージカル4」のページでご紹介します。